サンスクリット語の近況
2006年6月 8日 | コメント(0) | トラックバック(0)
サンスクリット語(at東方学院)は、練習文をやりながら名詞の活用をやっています。現在、a、ā、i、ī、u、ūで終わる名詞まで。
前にも少々書きましたが、サンスクリット語はそもそも語幹(stem)という概念があって、名詞の場合予め「性」(男性、中性、女性)が決まっていて、さらに語尾が変化することで「数」(単数、両数、複数)と「格」(Nominative、Accusative、Instrumental、Dative、Ablative、Genitive、Locative、Vocative)を表します。その語尾変化のルールが、語幹が何で終わっているか(a、ā、i、ī、u、ū…)と、性によって決まっています。
日本語で例えれば、「こうすい(香水)-」というのが語幹の女性名詞があるとする。「「い」で終わる女性名詞」の語尾変化のルールに従って、「こうすいひ」となればNominative・単数、「こうすいむ」Accusative・単数、「こうすやー」Instrumental・単数… といったように変化するわけです。
読んでいく手順は、文を見て語幹を想像して語彙表を引き、変化表に照らして数格を確定して意味を取る、ということになります。「こうすいひ」を見て、「こうすい-」かなと想像して語彙表を見ると「女性名詞だよ」と書いてある。で、「「い」で終わる女性名詞」の変化表に照らすと、「こうすいひ」はNominative・単数だから、「(一つの)香水は/が」と意味をとります。「こうすいむ」なら「香水に/を」、「こうすやー」なら「香水によって」と。
暗号文を解いているようで楽しいですよ。
ところで「サンスクリット(語)」という単語自体はけっこう多くの人が知っていますが、「それって今も使われているの?」といった質問をよく受けます。えっと、サンスクリット語は、今は基本的に使われていません。インドの古語、です。しかも文語。文章を書くための、文法ルールがかっちりとした言葉です。
仏典のうちの大乗仏教経典の多くがこのサンスクリット語で記されています。
一方、初期(原始)仏教や部派仏教の文献は、今日見ることができるそれらが南方(スリランカ等)に伝承された文献なので、サンスクリット語から派生したもの─いわば方言(プラークリット諸語)─の一つであるパーリ語という言葉で書かれています。今のところ私が専門的にやっていきたい分野はこっちなわけですが、サンスクリットをやったあとにパーリを勉強するというのがオーソドックスなルートだそうで、私もその予定です。
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