履修ガイド(大乗仏教思想)

2005年09月 7日水曜日PM | コメント(0) | トラックバック(0)

■科目責任者
 森山清徹教授

■テキスト
 『大乗仏教思想史概説』 佛教大学通信教育部

■科目の概要
 大乗仏教思想をどうとらえるかは、重要であるが、まず必要なことは、中観派の空や無自性、唯識派の唯識無境や三性説の哲学は、修道論の上で確立されているということを深く認識しておくことである。ややもすると哲学と修道論とは別ものであるかのように誤解しやすいが、仏教思想は、止、観からなる修道論の上に確立されているということを認識しておく必要がある。修習の進展の上により高度な哲学が把握されるということである。
 それで、まず五道とは資糧道、加行道、見道、修道、究竟道をいうが、特に加行道に相当する煖、頂、忍、世第一法という四善根位からなる順決択分は重要である。なぜならその段階で、唯識無境や中観の真理が熟知されるからである。またその段階は瑜加行派に於ては入無相方便相と呼ばれ重要である。これらの修道論の骨格は、『倶舎論』や『大乗荘厳経論』等に示される。内容は唯識派や中観派と小乗系のものとは異なりがある。悟りの内容が大・小乗では異なることによる。したがって大乗仏教思想を理解するには、修道論が背景にあり、その上に、唯識無境や空、菩薩の思想が成り立っているのである。

■学習の要点

  1. まず『般若経』や『法華経』等の有名な初期大乗経典の思想によく通じることである。

  2. ナーガールジュナ(龍樹)が『中論』等に於いて縁起、空、無自性について論じている論法と意味を理解すること。

  3. 『般若経』や『中論』に説かれる、二諦説すなわち勝義諦(最高の真理)と世俗諦(世間一般の真理)の意味についてよく理解することである。これは大乗仏教思想を知る上で欠かし得ないことである。特にインド大乗仏教思想とチベット仏教思想を知る上で不可欠といってよい。

  4. 無着の『摂大乗論』、世親の『唯識二十論』『唯識三十頌』その他の著作や唯識思想によく通じること。そこには菩薩道や修道論が背景となっている。この点から唯識無境や三性説、アーラヤ識がより明瞭に理解され得る。

  5. 空や縁起の解釈も中観派と唯識派とでは異なる。何がどう異なるのか問題意識を持ちつつ学習を進めること。

  6. 中観派は帰謬派と自立派に分かれる。何故そうであるのか、空の立証や二諦説また煩悩障、所知障の問題を意識しつつ学習すること。

■リポート設題
□第1設題 8枚(横書き)
 二諦説 ── 勝義諦と世俗諦について典拠を二点以上挙げ述べなさい。

□第2設題 8枚(横書き)
 修道論を中観、唯識思想と関連させて述べなさい。

■リポート学習の留意点
 参考文献等を書き写すのではなく、何をどう答えるかを熟慮の上、三項目程度に分け、それぞれ題をつけ、答えるべきことを整理して明確に表現すること。学習とは考え、整理し理解することである。書き写すのは時間の空費である。

□第1設題の留意点
 『般若経』『中論』、龍樹以降の中観派諸論師の見解に基づいてまとめること。

□第2設題の留意点
 修道論、止と観に基づく実践体系とより高度な諸哲学を悟ることとは一致していることを了解してください。

■リポート作成の留意点
 学習の留意点を参照してください。何をどう答えることが重要なのかを熟慮し、三項目程度に分け、それぞれ題をつけ、その下に、明確に整理してまとめてください。単に書き写すのは学習になりません。

■参考文献
・平川彰ほか編 『講座・大乗仏教〔新装版〕 全10巻』 春秋社 ☆
・佛教大学学会 『人文学論集.第19号』 所収「Kamalaśīlaの唯識思想と修道論」森山清徹

« 前の(古い)ブログ記事 | 次の(新しい)ブログ記事 »

このブログ記事をソーシャル・ブックマーク

コメントする







トラックバック(0件) | http://www.vinaya.jp/apps/mt4/mt-tb.cgi/1310

Powered by

  • Logo designed
    imeka
  • Blogソフトウェア
  • レンタルサーバ
  • ドメイン取得

contact to me

works

最近のブログ記事

タグクラウド

検索